テレビ版『マリア様が見てる』

はじめに、数日前に「アニメも漫画も見ない」というようなことを言ってましたが、
たまたまレンタルビデオ屋さんで見つけて、借りてきてしまいましたorz
あとアニメ版の第1期ではなく第2期(マリア様が見てる 〜春〜)を間違えて借りてきました。
まあ、原作で読んでるのでそれは良しとしまして、
さらに、以下の文章は徹夜続きで多分に毒が入ってる(と思われます)ので、
それもあわせて謝罪します。


さて、そのテレビ版マリ見てですが、オープニングで固まり、
本編が始まると不快指数が限界値を超えました。
「なんだこれは…!!!」と。


数年前に『まもって守護月天!』というアニメ番組があったのですが、
私の中ではそれが過去最悪のアニメでした。
しかし、本日をもってアニメ版マリ見てはそれ以上の史上最悪の作品となってしまいました。
原作が良いだけに、月天とは比較にならないほど、それはそれは酷いものです。


監督でもシナリオでも演出でも、とりあえず一言言いたい。
確かにお嬢様女子高生の美しい学園生活を描きたいというのは分かる。
しかし、だ。
ただ画面上美しくすればいいってもんじゃないだろ!
もう、呆れ果てて言葉も出ません。


監督は演出ってものをご存じないのだろうか。
もともと才能ないのかどうかは別にして、
視聴者を故意に退屈のどん底に陥れたいだけとしか思えない。
作画と色彩設計はテレビシリーズにしては合格点は出せるかもしれないけど、
逆に言えば作画がマトモってことは時間には余裕(業界の”普通”に比べて)があるってことで、
だったら、これはもう監督の責任としか言いようがない。
この作品のレベルなら、アニメ好きの中学生に絵コンテマンが付いただけでできる。


その根源は、恐らくシナリオにある。
話を詰め込みすぎ。
だいたい2クール(26話)であれだけの話をやろうとするのが間違い。
原作第1巻から『パラソルをさして』(原作第11巻)までをこなそうと思ったら、
祐巳と祥子に絞ってコンスタントにやればギリギリ可能かもしれないって線(量)なのに、
何を考えたのか『黄薔薇まっしぐら』(アニメ版第15話)とかまでご丁寧に入れる始末。


先の1クールで『いとしき歳月』を終わらせて、
その番外編で『黄薔薇まっしぐら』を入れるのならまだ分かる。
しかし、時間ないんだろ!
案の定『長き夜の』(アニメ版第14話)は何もかもが中途半端。
「祥子、聖、祐巳祐麒、柏木以外が帰る。その時由乃祐巳が会話する」って脚本に書いてあっても、
小笠原邸の玄関を画面上から斜め撮りで一同終結してるところまでゆっくりパン後止め、
そのまま画面左から車を入れて中央で停め、
ここでカットを変えて左真横から祐巳由乃の会話、
由乃が斜め前から祐巳の横顔に向けてしゃべった後に、
もう一回玄関のカットに戻して、中央の車を右に動かす、
っというようなことは、普通は、普通の監督はやらないでしょう、いくらなんでも。
予算や時間の都合で3カットが限界でも、私なら由乃祐巳の台詞を削ってでも、
なるべく作品として成立するところまでもっていく。
そうでないと、せっかくのお別れなのに、何が何だか分からんでしょ。


…そう、だから驚いたんです。
頭が真っ白になりそうなくらい。
ただシーンをクリアーしていくだけで、もはや何の意味もない。
結局、見てる方は呆然として何も分からないわけです。


オープニングはまだマシな方ですけど、統一感がまったくない。
別にオープニングに統一感があるとかないとかは個々まちまちで良いんですけど、
この作品の場合は、薔薇と花びら(雪、木漏れ日等々)でしつこくしつこく統一してるんです。
だから、全体的に統一感があった方がグッと引き締まります。
というか、これで統一感を持たせなかったら作品が”もたない”。
バラバラなのも演出かなぁ、とは一瞬思ったんですけど、”故意”では明らかにない。
狙ってずらしても、ああいう感じになるとはとても思えない。


ああ、テーマソングはめちゃくちゃ良いのに、非常にもったいない。
いや原作も非常に良いのに、もったいない。
原作厨とか呼ばれても、全然平気なくらいショックです。
へこみます。落ち込みます。


薔薇の館でのお茶会の様子でも、なんでいつもいつもみんな無言で笑ってるんだよ!
何か大問題が起きて、その後のほっと一息なら話は分かる。
しかし、祐巳の百面相もなしに、ただただ正面向いて目開いて座ってる姿は不気味の一言。
やたら流れる意味のない空白…。
もちろん、むやみやたらに画面動かすとか飾り立てるとか、そういうことを言ってるんじゃなくて、
つまり、ノンビリした風景出すなら、もうちょっと演出でなんとかしろよ!っていう。
紅茶とかベタだけど使えそうな小道具いっぱい散らばってるんだから、
もうちょっと考えることできんのかね。


黄薔薇まっしぐら』のラストにしても、脚本(原作)の台詞棒読みじゃなくてさ、
もうちょっとなんというか、ゴロンタを目で追ってると猫姿の江利子がポンと浮かんで、
それを祐巳が笑って、江利子が「なになに?何がおもしいのー??」と目を輝かす、とか、
アニメなんだからアニメにしかできない何かが欲しかった。
ま、この辺の考え方は色々あるんだろうけど。
黄薔薇まっしぐら』はコントっぽくておもしろかったから、
私の中ではアニメ化されてて、鳥居ファミリー動かしながら結構楽しかったので、
期待してたんですけど…、ま、期待する方が悪い、ってことなのかorz


しかし…、これは総じてもうリベンジしかない。
せめて、あの不快なオープニングくらい何とかしたい。
ど素人の私が妄想したアニメーションに置き換えた方が全然良い(と個人的に思う)。
よし、決めた。
アニメ版を見たことは忘れよう。