『マリア様がみてる 不器用姫』

なんというか、熱いエールを送りたい。寛美に。
「でも、同じ学校だから〜」までは、
寛美と一緒のようなこと言うと、私も思います。


しかし、その後の「仕方ありません。〜」のさゆりの台詞は、
何か言わないと自我(プライド)を維持できなくなるな、私なら。


寛美(私)「変わらないわね、あの頃と。そんなだからイジメられるのよ」
さゆり「……!!」
雅美「ちょっと、あんた!」
寛美(私)「あら、あなたも注意しておいた方が良いわよ。今のあなたは、昔の私。高校卒業したら、簡単に切り捨てられちゃうわよ。今の私みたいに(笑)」
雅美「そんなことない!私は、あなたじゃないわ」
寛美(私)「どこが違うというの?」
雅美「それは…全部よ。全部違うわ!」
寛美(私)「脳天気だこと。いい? 私は”ミケ”の嫌いな人から彼女を守ってきたわ。その過去を”ミケ”は嫌いだという。今はどう? ”ミケ”の嫌いな私から”ミケ”を守ってるのは、誰かしらね。そして、それが”ミケ”の嫌いな過去にならないという根拠があったら、教えてもらいたいものだわ」
雅美「……」
寛美(私)「それと、”ミケ”」
さゆり「……」
寛美(私)「最初にここ(リリアン)に着たのは私なの。気に入らないなら、後から入ってきたあなたが出て行きなさい。そういう自分中心な考え方をしてるから、イジメられるのよ。それにしても呆れたわ。あなたって、本当に”変わらない”のね」


はー、言っちゃった。
でも、よかった、寛美のような修羅場が来なくて。
間違いなく、思ってもないことをポンポン言ってしまう。
相手の傷つくような言葉をわざと選んで…。


うーん、江利子なら言うだろうか。
……言うと思うな。
睨み付けてくる下級生に、メラメラと闘心が沸いてくるだろうし。
でも、さすがにココまでは言わないか(笑)
軌道修正が必要な気がするので、ちょっと続きを。


雅美「うるさいうるさい!あんたが何と思おうと、私はさゆりの友達なんだから!!」
さゆり「雅美さん……」
寛美(私)「友達ね。薄っぺらい友情だこと(笑)」
雅美「なんですって」
寛美(私)「ミ…さゆりさんは自分から逃げてきたのよ。そして、今も逃げようとしている。違う?」
雅美「違わない……違わないけど、私は、さゆりが逃げても追いかけていくわ。だって、大切な友達だもの」
さゆり「雅美さん……」
寛美(私)「……そう。でも、過去にふれずに友達なんてやっていけるのかしら?」
雅美「……」
さゆり「……」
寛美(私)「どうなの?」
雅美「……」
さゆり「カンちゃん、もうやめて!どうしてこんなことするのよ!!」
寛美(私)「答えなさいッ!」
雅美「…さゆりが、話してくれるまで待つ」
寛美(私)「でも、高校卒業までに間に合わないかもしれないわよ?」
雅美「その時はその時。さっきも言ったでしょ。どこまでも追いかけて行くって」
寛美(私)「本当でしょうね?」
雅美「ええ、もちろん」
寛美(私)「……」
雅美「……」
寛美(私)「……分かったわ。それと、さゆりさん。金輪際、私たちは他人だから話しかけないで頂戴。もっとも、話しかけられても無視するけれど(笑)」
さゆり「分かってる。カン…寛美さんも、もう二度と私の前に現れないで」
雅美「……」
さゆり「ごめんね、雅美さん。私のせいで、酷いこと言われて…」
雅美「…私は大丈夫だよ」
寛美(私)「……。蔦子さん、行きましょう」


寛美(私)「ちょっとやり過ぎちゃったかな(苦笑)」
蔦子「……どうだろうね。雅美さんは、何となく気づいてたと思うけど?」
寛美(私)「何に?」
蔦子「……」
寛美(私)「きっと変わってきてるんだと思う。あんな良いお友達作ってるんだから。だから、もう心配しないことに決めたの」
蔦子「そう」
寛美(私)「写真お願いしたのに、ごめんね」
蔦子「いや」
寛美(私)「いつか…、もし頼むときがきたら…、その時はお願いね」
蔦子「私は、くると思うけど?」
寛美(私)「え?」
蔦子「単なる直感だけどさ。これが、よく当たるんだわ」
寛美(私)「そう…。ありがとう、蔦子さん。それじゃ、ここで」
蔦子「うん」