プロジェクトX 地下鉄サリン事件

最近見た番組では一番おもしろかったです。
地下鉄サリン事件については数々の文献・資料を読んできましたが、さすがはテレビ。
文献では分からない、特に医療機関の顔が見れて非常に興味深かったです。


さて、番組には詳しくでてきませんでしたが、警察もキビキビしてました。
地下鉄サリン事件後に完全武装の第一機動隊が上九一色村強制捜査を行います。
その裏で、陸上自衛隊が構えていたのだから、
これはもうナショナル・クライシス(国家的緊急事態)です。


その緊急事態の最終段階、つまり最悪の事態は次のような場合。
強制捜査中にヘリやラジコンヘリサリンを巻かれたら、もはや警察力で対応不能
全捜査官(警視庁捜査一課、公安部、生活安全部、第一機動隊、第六機動隊特科中隊[SAT])へ撤退命令。
情報は直ちに官邸に上げられて村山首相が治安出動を発令(もちろん、国会の事後的統制による)。
運輸省航空管制センターの承認後、東部航空方面隊、第一ヘリコプター団、
第四対戦車ヘリ隊がサティアン上空へ飛び立ち救護救援活動を開始。
同じ頃、首都圏での大規模同時多発テロを想定して、防衛庁長官より陸上自衛隊第一師団、
第一空挺団、第二治療隊へ第三種非常勤務態勢を発令。
深夜、陸上自衛隊第一高射大隊、第一戦車大隊がサティアン群及び教団所有ヘリへ一斉砲撃。
砲撃終了とともに陸上自衛隊第一師団がサティアンへ突入。
制圧後、第一治療隊、化学防護小隊が負傷者救援のため移動、重傷者を自衛隊中央病院へ搬送。
明朝、サティアン陥落を受けて首都圏の地下鉄でサリンによる無差別テロが発生。
東京都交通局運輸司令長が運行停止命令、乗客の避難後に全駅を封鎖。
防衛庁長官より全国の全所属部隊へ第三種非常勤務態勢を発令。
運輸省航空局長が航空会社へ通達。羽田、成田の閉鎖後、国内の空港も順次閉鎖。
警察庁長官原子力発電所の警備を強化するよう通達。
東京都水道局が警視庁に浄水場の警備警戒強化を要請。(各府県の水道担当部署も警察へ警備を要請)
って感じでしょうか。


最後二行は、航空機による毒物の散布と浄水場へ毒物がばらまかれた場合のことを考えたんですけど、
運輸省道路局が日本道路公団へ高速道路を封鎖するよう通達を出すかどうかは疑問だし、
うーん、緊急事態には全てをシャットアウトするのが本当は良いんですけど、
それだと予防措置(先手)における損失はどう考えるかとか、難しいなぁ。