時間旅行

昨日借りてきた映画を朝から見てたのですが、
長くなるので感想は後日書くことにして、
タイムマシーンあるいはタイムスリップという事象に乗って別次元に行けるとしたら…
というようなことをボーっと考えてました。


といっても、家に閉じこもっていてもどうしようもなく、
時折小雨の降る中、チャリを飛ばして三井寺に行ってきました。
紫式部”で有名なお寺で、自然豊かで風流なんてそこら中に落ちている感じ。


だから、こっちに移り住んでからは何度も訪れたことがあるのですが、
天気の悪い日に来たのは今日が初めてでした。
雨の日の神社って、どことなく不気味な感じがしますよね。
畏怖といえばいいのか、いつにも増して恐れ多い感じがプンプンする。


そんな雰囲気の中で、ちょっと腰を下ろして先程の事案を考えてみる。
私がタイムトラベルで一番行きたい世界は「明治時代後期」といえます。
なぜかというと、単純に「ひいおばあちゃん」に会ってみたいという、それだけです。


私が知っているのは86歳前後の年老いた彼女で、
ひいばあちゃんの話を祖母から聞く時は必ず「若い頃はそれは美人で」という決まり文句が入るのですが、
確かに、今思えば私が知っていた曾祖母も「上品なお年寄り」ではありました。
ですから、若い頃はどんな感じだったんだろうな、と、それは大変興味があるんですよね。


貿易商の青年に一目惚れされ、何度断るも最終的に結婚を決断するに至った動機は何なのか。
そして、彼(夫)を早くに亡くし、太平洋戦争期に女手一つで家を守る心意気というか姿、
さらに戦後の焼け野原で何を思い何を考えたのか、それを知りたいな、という、ノンキと言えばノンキかもしれません。


仮に1943年頃に行けたとして、そこで少女時代全盛期の祖母に会えたら、
もうそれだけで感動モノでしょうが、実際にどういうことを感じるのか想像すらできません。
それはたぶん、私が結婚することになるだろう女の人の学生時代に時間旅行するのと、
性質は違いますが根源的に恐らく同じモノだとは思うんですけどね。


映画で私が最も好きな”作り”というのはまさしくその辺が原点となっていまして、
あるお年寄りが出てきて、その人が自分の過去を語り出し、
連続した現実(経験)を歴て現在に至る過程を描く、と、具体的に言えばこうなります。
劇中で本人が死(老衰でも病死でも何でも可)を経験すれば、それはもう完全といって良い。


昨日借りてきた『千年女優』という映画は、見事にそれを満たしていました。
久しぶりに満足のいく作品でした。