ドリームランド

近未来のアメリカはニューヨーク。
ネオン輝く飲食店街を歩く私は、地元警察に追われていた。
背後にはどうやらシークレットサービスがいるようだ。
「捕まってなるものか!」とは思うものの、どこもかしこも警官だらけ。
しかたなく一般のホテルに逃げ込んで隠れることにした。
客室に向かうためにエレベーターで移動。
「ポーン」という音とともに重いドアが開くと、
目の前には黒いサングラスに黒いスーツを着た筋肉隆々(と思われる)の白人男性。
あっさり捕獲されて、ホテルの一室に監禁される。


電話はおろか、なに一つない部屋。
ははん、最初から俺を監禁するつもりだったのか。
ここに監禁場所が用意されてるとなると、
彼らの仲間たちが来るのは時間の問題ではないか。
どうにかしないと、と天井を見る。
あるものを見つけると、今度は部屋中をくまなくチェックする。
監視カメラはない。
よし、いける。
ポケットからライターを取り出し、
次に上着を脱ぐいでそれに火を付け、
しばらく部屋中を歩き回る。


数十秒後に水が噴き出し、ホテル内に「ジリリリリ」と火災警報。
2秒後にドアが勢いよく開く。
ドアの先数メートルの床で勢いよく燃える上着
真っ先に彼の視線がそこに行くように置いたものだ。
案の定ギョッとなってるところを、ベルトの金具部分で白人の側頭部を思い切り叩きつける。
倒れたのでのど元の脈を触ってみると、まだ生きている。
ホテルの従業員が駆けつけるのも時間の問題。
彼のベルトを取ると、それでまず彼の両手を縛り、次に私のベルトで両足を縛る。
そのまま階段脇の用具倉庫に連れ込んで考える。
さて、どうしたものか。


既に消防と地元警察は来てるはず。
監禁場所としてリザーブしたホテルでボヤとなると、
間違いなくヤツらは私の仕業とみるだろう。
そうすると、既にホテルの周囲数ブロックを州兵と警察で完全に固めてるに違いない。
だったら、ホテルから運良く逃げられたとしても捕まるのは時間の問題。
となると…、あの方法しかないか。
彼の上着から銃と携帯電話を取り出してFBIに電話。
その後、近くにあった金槌で彼の両手両足を骨折させ動けないようにし、
声帯まで切るのは可哀想だったので、猿ぐつわで勘弁してあげる。
待つこと数十分、こちらから指定した通り連邦捜査官2名がやってきた。
その名もモルダーとスカリー。
モルダーに、政府の陰謀で拉致監禁されそうだ、と熱心に日本語で説明すると、
小杉十郎太のボイスで「とにかく、ここを出よう」と言われる。


そこで、なんかおかしいと気付く。
なんでモルダーが日本語しゃべってるんだ?
まさか、これは夢なのでは…。
とりあえず、後部座席から助手席のスカリーのおっぱいを揉んでみる。
うーん、ブラしてるはずなのに、本物みたいに柔らかい。
が、暖かくない。
という以前に、なんで怒らないんだよ。
……。
やっぱ夢か。
事件現場についたので車を降りる。
古い館があって、玄関先に老夫婦の死体が転がっている。
「コウモリ男の仕業だ」と唸るモルダー。
コウモリねぇ。
Xファイルだったら、きっと頭上にいるんだよな。
とか思って上を見ると、案の定いる。
背中に羽を生やした白人男性が、天上に張り付きながらこちらを睨んでいる。
モルダーもスカリーも気付いていない。
やっぱ、俺がやるしかないか。
銃を取り出し、素早くロックを解除して数発発砲。
「ギャオ!」という声を上げて絶命するコウモリ男。
「よくやったな」「すごいわ」と感謝してくれる二人の捜査官。
私も笑顔で「いやぁ、それほどでも」と照れてると、まるでドラマのようにそのままブラックアウト。
ハッと気付くと、空港の搭乗口にいる。
「また遊びに来いよ」と手を振りながら笑顔で見送ってくれる二人。
ま、いいか。
満足げに帰国する私。


そこで目覚めて終わり。
私はストーリーがかった変な夢を見ることが多いんですけど、
起きて開口一番の口癖は「なんだったんだろ…」。
ちなみに、これは昨日の夢で、
一昨日はオーストラリアで連続放火犯の容疑者にされるストーリーでしたorz

双恋

『双恋』を冒険心で借りてみました。1巻と2巻。
1話の出だしで「やっぱ俺ギャル系無理だ('A`)」と思いながら惰性で見てると、
2話の中盤辺りから妙に馴染んでくる。
「とうとう頭イカれちまったか…」とか思ったんですけど、
考えてみると、双子モノはコレが初めて。
ただ、新鮮かどうかっていうより、一種異様な感覚。


「うーん、なんだろう…この感じ」とか思いながらみてると、
第5話の「動き出した時間」の「あなただけは、間違えずに私の名前を呼んでくれた」
っていう菫子ちゃんの台詞で、感極まって涙まで流す始末。
その時ハッとなって原因が判明。
そうだ。
私の初恋の人は双子の妹なのだった。
そうか、それでこの台詞がグッときたわけだ。


しかし、確かに双子っていうのは色々とありそうだ、と中学生の私は思いました。
私から見れば、顔も性格も全然別の人に見えたんですけど、
周りのクラスメイトは区別がつかないらしく、しかも、人気があるのはお姉ちゃんの方。
”双子の転校生”ってだけでネタはそこら中にあるわけで、
最初の頃は私の隣の席でよく質問責めにあってました。


性格が明るかったので、笑って答えてましたけど、
横顔眺めていて、そういう話題は本当はイヤなんじゃないかなぁ、と思ったんですよね。
比べられるのは多少は慣れてるかも知れませんけど、
小さい頃から弟と比べられてきた私は、慣れっていうより嫌悪感の一色。


「転校生だし、仕方ないな」と思って、横からシャシャリ出て別方向の会話に誘導。
もともとお節介焼きな性格だったし、隣の席で見て見ぬふりはちょっとできなかった。
そしたらいつのまにかなつかれて「うーん、女って面倒臭く嫌いだけど、転校して友達もいなさそうだし…」。
「仕方ないな」とか思いつつ実は結構興味深い人間で、そのうち妙な噂も立ちだし、
しらぬ間に心を奪われ、その後10年以上も私を苦しめようとは……。


それはいいとして、冬の寒い日に決まって思い出すことがあって、
担任から授業を1時間もらって、クラスでケイドロ(ドロジュン)をやった時のこと。
ドロボウ役になったので「プール裏にでも隠れて休んでよう」とか思って歩いてると、
なんか後ろから人の足音が聞こえる。
「なにやつっ!!」と振り返ると、双子の妹の方。
ゲっ!!!
と思って全力で走りました。
「ふっ、女ごときが俺に…」とか思っても、その2ヶ月前に50m争で惨敗していたのでした。
直線では負ける。
ならば、ジグザグで逃げ切るしかない!


とジグザグに走っても、すぐに距離を縮められてジ・エンド。
県下有数の足を持つ女刑事に勝てるわけがない。
「バカか、俺は」と牢屋で頭を抱えていると、すぐに助けがやってきて脱獄成功。
途中、再度連行される友達に「同じ過ちを二度繰り返すヤツはバカ」
って声を掛けながら走ってると、遠くの方でキラりと光る目が二つ。
うっ…。
マズい……。
他の女ならふり切れるけど、アイツだけはダメだ…。


「同じ過ちを二度繰り返すヤツはバカ」。
ジグザグはダメだっ!
と思って、身を隠そう!!!
ええーっと。ええーっと。
グラウンドの中央やや北寄りだから、身を隠す場所がない…_| ̄|○


女刑事が数名集まってきた。
くっ、もはや逃げられん……。
その頃の私は身長140cmちょっとに体重は30キロ台。
自分よりも何倍も巨躯な女どもが、よってたかってか弱い男子中学生を…。
なんか、やけにニヤついてるように見える。
逮捕以外の目的がありそうだ…。
まさか貞操の危機!?
クラスメイトの女の子数名に校庭のど真ん中で辱められる?!
ちくしょー、ここまでかッ!!!
しかし、駿足の女子が「ここはいいから」とか言いながら仲間の刑事、応援の刑事をかえしている。
ほほう、女のくせにいい度胸じゃないか。
この俺を相手に一人で向かってくるなんてね…。


ゆっくり歩いてこちらに向かってくる。
しかし、動けん…。
距離10m。
「ふっふっふ」と悪魔の笑みを浮かべている。
うぬーと唸る。
ベタだが、これはもうあの手しかないだろう…。
「あっ!!!」と叫びながら人差し指を彼女の後方に向ける。
一瞬の間。
その隙に逃げる予定だった。
のだが、しぶとい。
私を見て「ふっふっふ」と不気味に笑ったまま。


そうだ。ヤツは大阪から転校してきたのだった。
ボケには慣れている。
ん?これもボケに入るのか?
とか思ってると、距離は5mもない。
両手を拡げながら、じりじりとこちらに向かってくる。


今の私ならば、間違いなくその胸に飛び込んで、
連行される際に「隙があれば逃げるもんね!」とか駄々こねて、
しかも逃げようとする小細工まで使って、腕組みで牢屋まで向かうところ。
肘に当たるおっぱいに酔いながら「将来はドロボウになろう」と心に決めることだろう。


しかし、リアル厨房のバカな私は、純粋培養のプライドの固まり。
距離3mでダッシュしようとして、タイーホ。
牢屋で抜け殻のようになってたら、救いの手が。
鬼もとい本物の婦警のような恐い顔の女子に捕まえられ、
みんな精神的にふさぎ込んでいたので、助けに来た彼は間違いなく神。
しかし、彼が助けたのはしょせんはドロボウ。
脱獄に気付いた女子数名が突進してくると、「○○が助けたんだぞ!」とか言って皆で指さし、
婦警さん数人の怒りの矛先を彼(神)に向け、何事もなかったかのように散っていったのでした。


「すまん、許せ」とか思いながら牢屋から出て10歩ほど歩いたとき、
脱獄に気付いた数名の女子の中に、ヤツがいた。
この時の心境はというと、チビマリオでスタート地点から軽快にBダッシュしたはいいが、
一番初めのクリボウを避けきれず、そのまま当たって死ぬ感じに近い。
やっと脱獄したばかりなのに…orz
もっと近くに他のドロボウはいるのに…
もっと遅い足のドロボウは山ほどいるのに…
俺が何したっていうんだよォ!


学年イチ足の速い女が追随開始。
あっという間に距離10m。
キュッと走るのを止めて、真顔で振り向く。
そしたら、彼女も足を止める。


俺「ちょっと待て」
女「なに?」
俺「なんで、俺ばっか狙うんだよ」
女「……」
俺「もう一度聞く」
女「……」
と目を逸らしたところで、ダッシュ


「ずるーい!!」という叫び声が終わらないうちに再タイーホ。
俺「ちっ」
女「『ちっ』じゃない!もう」
俺「あーあ…」
女「ほら、行くよ」
俺「もうちょっと休ませて」
女「とかいって逃げるんでしょう?」
俺「うっ…」
女「やっぱりね」
俺「でも、ほんとにちょっとタンマ。歩くのしんどい」
女「ちょっとだけだからね」
俺「でもさ、やっぱ速いよなぁ。すごいよ」
女「陸上部だしね」
俺「女子に負けたことないんだけどなぁ…。なんでだろ」
女「……」
俺「うーん、でも、楽しかった。完敗、降参ッ!」
女「……」
俺「……。さて、そろそろ牢屋行くか(笑」
女「うん(笑」


今考えてみれば、ちゃんと青春してるじゃないか、私も。
ああ、あの頃に戻りたい!!!
戻って、バカな厨の私を頃して、代わりに私が精一杯楽しんであげたい。
タイムマシン、ほしいなぁ。

電車男に山田孝之

【映画】電車男、主演の電車男山田孝之エルメス中谷美紀


俳優、山田孝之(21)=写真=が、6月上旬公開の映画「電車男」(村上正典監督)
で映画初主演することが4日、分かった。
同作は、彼女いない歴22年のオタク青年が、ネット掲示板2ちゃんねる」の投稿者のアドバイスを受けながら、
恋を成就させようとする実話をもとにした純愛物語。昨年ネット上で大きな反響を呼び、同10月に発売された
書籍版(新潮社)は、50万部を超えるベストセラーに。
配給元の東宝では、「オタク系から格好いい青年に変化していく演技力と、純粋なイメージを併せ持つ俳優」として、
TBS系ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」など最近の純愛ドラマで活躍する山田を抜擢。原作で女優の
中谷美紀(29)似と言われてきたヒロイン「エルメス」役には、中谷本人を起用し、
原作ファンにはうれしいキャスティングとなった。
ボサボサ頭に眼鏡、だらしない服装のオタク青年を演じる山田は「久しぶりの映画なので楽しみ。
僕自身、アキバ系ではないけどオタクなトコも持ってますから(笑)」と気合十分だ。今月下旬にクランクイン。


ソースはhttp://www.sanspo.com/geino/top/gt200503/gt2005030506.html
山田孝之 http://www.stardust.co.jp/rooms/takayuki/
中谷美紀 http://www.roomsnakatani.com/



167 :名無史さん :05/03/05 06:06:46 ID:Drc91yVH
電車:宅八郎
エルメスインリン
で頼む。一生のお願いだ。
2ch住人は伊集院、筑紫哲也宅八郎一人二役
のローテーションで回せ。


370 :名無史さん :05/03/05 08:48:27 ID:faRKIqws
カンニング竹山


423 :名無史さん :05/03/05 09:27:19 ID:ef8ONjwR
山田は山田でも隆夫だろ


387 :名無史さん :05/03/05 08:56:29 ID:2fzx2rsV
秋葉系ヲタにも素材はイイ奴いるからな。
山田をいかにもてないヲタっぽく見せるか、
スタッフの腕の見せ所だな


563 :名無史さん :05/03/05 10:30:05 ID:V81reiat
とりあえず酔っ払い役は泉谷しげるで誰も異論は無いな


686 :名無史さん :05/03/05 11:02:46 ID:rVYgqqTp
おれとしては、電車はココリコ田中


705 :名無史さん :05/03/05 11:07:46 ID:AV8QXfgt
電車男:田代
エルメスあびる優


これで逝け。イッツ2chクオリティー

私の中のイメージでは、
電車男温水洋一
エルメス華原朋美
だったんだけどなぁ。
2ch住人はどうするんだろう。
そういえば『たかじん委員会』でチャネラーが募集されてたけど、

687 :名無史さん :05/03/04 01:41:42 ID:/Z0nGzaC
まあキャプられてそこらじゅう貼られまくりだろうな。

ってことは目に見えてるし。
でも、エキストラで数人くらい本物を起用して欲しいところ。


まあ、映画公開されても絶対に見にいけないけど。
レンタルで借りるのも、タイトルで『電車男』って入ってるのを考えると…、
なんか妙に恥ずかしくてイヤなんだよなぁ。
店員に「(ノД`)アチャー こいつリアルで借りてるよ。痛い香具師だな」とか思われる、絶対。
鬼畜系の炉モノを借りる方がよっぽど簡単そうだ。
うーん、何か知らないけれど、変なプライドが邪魔してしまうorz


番外編

106 :名無史さん :05/03/05 05:32:36 ID:0b97O6O+
男:上島竜平
女:若村麻由美
でアダルトバージョンも作ってくれ


110 :名無史さん :05/03/05 05:35:14 ID:vujfI/eA
>>106
そのキャストだと「有栖川宮結婚式詐欺事件」の映画化の方が向いてる。


519 :名無史さん :05/03/05 10:17:49 ID:fExKdFhr
電車男・・・森重久弥
エルメス・・・森光子


524 :名無史さん :05/03/05 10:19:14 ID:5w2TIPrk
>519
冒頭の電車内のシーンをどうするつもりだお前は


696 :名無史さん :05/03/05 11:05:28 ID:pMn4z/Ts
ニコラスケイジだったら面白そうだったのに


699 :名無史さん :05/03/05 11:06:34 ID:V81reiat
>>696
ハリウッド版はそれだな

降雪

関東人騒ぎすぎ


15 :名無史さん:05/03/03 23:18:00 ID:6oj0MioB
田舎にいたころテレビの報道を見て、「5cm積もったくらいで騒ぐなよアホかプギャー」と笑っていたが
上京した今でも、雪くらい大したことねーじゃんと思っています
ひょっとして俺明日痛い目見る?


27 :名無史さん :05/03/03 23:22:48 ID:DzChvHxm
また、たかだか1cmやそこら雪が降っただけで
交通麻痺、玉突事故、JR運休、飛行機離着陸見合せ
滑って転んで怪我人続出か?


世話無いな寒頭人ども!!!冬タイヤくらい持っておけ!!!


m9(^Д^)プギャー ←北海道住民
m9(^Д^)プギャー ←東北住民
m9(^Д^)プギャー ←北陸住民


28 :名無史さん:05/03/03 23:23:24 ID:AeEgqzQE
また田舎の豪雪自慢か( ´,_ゝ`)ハイハイ


41 :名無史さん:05/03/04 01:03:37 ID:ZEyDmhng
東京でちょっと積もったぐらいで各マスコミが全国ニュースとかの時間で騒ぎすぎ。
東京のローカルニュースを延々と見せられてる気分になる。


68 :名無史さん:05/03/04 02:05:00 ID:3VIsw+JZ
また転んで怪我して、そんなのが東京ではニュースになるんだろ?


289 :名無史さん:05/03/04 09:13:05 ID:L2IOcO4b
地下鉄はちゃんと仕事汁。こういう時だけ声高らかでむかつく


365 :名無史さん :05/03/04 15:52:36 ID:JYSBHtl2
今日午後2時の日テレ「ザ・ワイド」のトップニュースは東京の雪情報だった。
たかが2㎝や3㎝の雪で大騒ぎするな〜ってんの。
あほらしい。


404 :名無史さん:05/03/05 00:03:25 ID:mD8l9a2N
台風とか大雪とか、こういった天候の時は
必ず新宿駅南口でTV中継やってんだよな。


俺は毎日新宿駅南口を利用していて、こういった天候の時は
毎回、必ずカメラに向かって「ぬ○ぽ」カードを掲げてやろうと目論んでいるんだが
今日も、まんまと忘れてしまった。
改札のところに来て、カメラがこっちむいているの見て、「あ!」と思い出した。

笑った。
確かに、2cmで大雪・交通大混乱だもんなぁ。
東北・上越・山形・秋田・長野行き各新幹線は無事なのに、
東海道新幹線は品川〜小田原間で徐行、と。


うーん、滅多に降らないから雪害対策は必要ないのかな。

マリア様がみてる 妹オーディション

マリア様がみてる 妹オーディション


江利子が決めた妹選びの期限が迫り、あせる由乃がとんでもないことを言い出す。
妹を公開オーディションで決めるというのだ。さすがにこれには祐巳志摩子も反対、
かわりに祐巳も含め、二年生と一年生でお茶会をすることになるのだが…!?


【発売日】2005/04/01  【全編書き下ろし】本文224ページ
http://www.mangaoh.co.jp/topic/maria.php

由乃がやってくれました(笑)。
「まさか、本気なの?由乃ぉ…」っていう情けない令の姿が目に浮かびます。
確かに「祐巳志摩子も反対」って書いてありますけど、
さて、反対されればされるだけ燃える黄薔薇一家の妹さんが、
果たして「そうですか」と、この案を下げるのかどうか。


今さら新キャラを出すとは思えないので、瞳子と可南子以外の線は無視。
としたら、由乃には瞳子しかいない。
ってことで、理由は後述するとして、そう言う場合を考えた時に、
とっさに思いついた文章(設定)。

だから、お祖父様が経営する病院でその人を見たのは、本当に偶然だった。
親戚の祥子お姉さまはロサ・キネンシス・アン・ブゥトンだったし、
山百合会には前々から興味があったので、顔と役職くらいは頭に入っている。


三つ編みの美少女は、ロサ・フェティダ・アン・ブゥトンプティ・スール島津由乃さま。
その隣に座っている美少年、もとい美少女はロサ・フェティダ・アン・ブゥトン支倉令さま。
由乃さまが長い間病気を患っている話は有名だった。
中等部時代には仲睦まじく歩く二人のお姿を何度も見かけた。
しかし、カウンター越しにのぞき見たこの光景はいったい何なのだろう。
由乃さまが、あろうことか手に持っていた果物籠で令さまを叩いているではないか。
はじめは驚きだけだったが、時間とともに別の何かが自分の中に湧きおこり始めた。
それが何なのかは分からない。
私は目を逸らすこともできないまま、可愛いお顔を茹でだこのように真っ赤にして怒る、
島津由乃という人間をずっと見ていた。


月日は流れ、今にも雪が降りそうな天候の中、
高等部のグラウンド脇で中等部の制服を着た女の子がせっせと化粧をしていた。
彼女の家には舞台で使うと称して買ってもらった変装グッズが山ほどある。
しかし、彼女は小道具がなくても何かになりきるのは得意だった。
これまでの生活環境に加え、部活動で培った演技力は誰にも負けない自信がある。
マスカラやアイシャドウは所詮もとから自分に備わっている魅力を強調するだけのもの。
手鏡の中の自分に「よし!」と気合いを送るとメイクアップ道具を鞄にしまった。
トレードマークの縦ロールを解いた松平瞳子は、そっと茂みの間から顔を出し、
グランドに固まっているイベント参加者集団を眺めた。


企画に参加するつもりは最初からないのだが、
この場にいることがバレては都合が悪い。
先日、勢いでクラスメイトに「行かない」旨を告げてしまったからだ。
だって、ミーハーに思われるのはイヤだったから。
それにカードなんか別にどうだっていいのだ。
ただ、由乃さまを見たい。由乃さまのことを知りたい。
瞳子の関心は、純粋にそれだけだった。


大勢いる参加者の中から由乃さまを見つけるのは簡単だった。
トレードマークの長い三つ編み。
由乃さまの背中で、時折弾んでいる。
こちらの見方次第で怒っているようにも見えるし楽しそうにも見える。
不思議だ。
でも、今日は何だか悲しそうに見える。なぜ――。
そんなことを考えてると、ふいに三つ編みが激しく揺れた。
ちょうど新聞部の部長がブゥトンに「ハンデ」を告げているところだ。
あからさまに嫌な顔をして抗議しているが、中等部でも有名なあの三奈子さまだ。
そうと決めたら何が何でも押し切るに決まっている。
開始の合図から5分、ジリジリしていたブゥトンの二人がいよいよ歩き出した。
と、そこへロサ・フェティダがやって来て何やら言うと、由乃さまがまたあからさまに嫌な顔をした。
まさか、ロサ・フェティダから参加を止めるように、とでも言われているのだろうか。
だとしたら、由乃さまを見られるのは高等部へ進学する2ヶ月後になるのか――。
夢の終わりのように思えて、急に寂しくなった。
程なくロサ・キネンシス・アン・ブゥトンプティ・スールである福沢祐巳さまが
濡れ雑巾を手に走って帰ってきた。
由乃さまはそれを受け取ると、必死に足下を擦っている。
どうやら、待ってる間の”ジリジリ”で靴にはねた泥を落としているらしい。
それにしても祥子お姉さまったら、どうしてあんな普通っぽい人間を妹にしたのかしら。
あと数ヶ月待ってくだされば、瞳子がスールになって差し上げたのに。


そんなことを考えてるうちに、いつの間にか由乃さまの姿はなくなっていた。
グラウンドを見渡しても、どこにも”長い三つ編み”はない。
(しまった…)
『名探偵瞳子の極秘潜入捜査』は早くも出だしから頓挫。
第四章『図書館の奇蹟』、の演出は感動の出来だったのに…。
しかし、今更台本を変更してあれこれ考えてる暇はない。
瞳子は変装や演技に加え、気持ちの切り替えも得意だった。
ギュッと拳を握りしめ、小走りで校舎の方へと向かった。
が、探せども高等部の生徒ばかりで由乃さまの姿はない。
いったいどこにいるのだろう。
由乃さまは人間で、カードとは違って絶えず動いている。
今の瞳子にはカードを探す方がよっぽど簡単に思えた。
途中、二股の分かれ道でマリア様に短くお祈りを捧げた。
――願わくば、クラスメイトと会いませんように。


しかし、瞳子のそんな願いもむなしく、10メートル先にクラスメイトの内藤笙子さんを見つけた。
心臓が飛び出るくらい驚いたが、間一髪、日頃の鍛錬の成果が出たらしい。
「こ、この辺りにカードがありそうだわね」
少々ギコちなくはなったが、素早く横の茂みに身を隠すことができた。
変装に自信がないわけではないが、わざわざこちらから晒してバレる危険を高めることもあるまい。
慎重に慎重を重ねるくらい、でちょうどいいのだ。


それにしても――と、笙子さんに目を向けた。
すぐ側には、あの有名な写真部の武嶋蔦子さんまでいる。
彼女の胸元でキラりと光るカメラにゾッとした。
バレンタイン企画の何気ない一コマとして学園祭にでも展示されたら終わりだ。
何度もしつこいようだが、変装に自信がないわけではない。慎重なのだ。
チラッと見られるくらいなら大丈夫であろうが、写真でじーっと見られると怪しくなる。
ここはしばらく身を隠すしかない、とそう決心した瞬間、
校舎脇から長い三つ編みの少女が飛び出してきた。
ちなみに、その後ろに付けているのは、クラスメイトの敦子さん。


日頃の鍛錬の成果、はこの際関係ない。
声が漏れないようにとっさに口を押さえた。
(え―――ッ!!!)
声は出せない。
声を出したら、終わりだ。
目の前にはクラスメイトと写真部の有名人。
何やら話してるので、きっとお知り合いなのだろう。
彼女のお姉さんは高等部3年生だと聞く。
笙子さんはその実の妹なのだから、高等部に知り合いがいてもおかしくはないのだ。


それにしても。
ああ、由乃さまが遠くなっていく…。
瞳子は口を覆っていた手を離すと、茂みの中で一人深いため息をついた。

急ごしらえだし、もともと文章力もないので、その辺は勘弁して下さい。


さて、由乃の妹は瞳子しかいないという理由。
それは、瞳子っていうのは「曲がったものが大嫌い」な人間だからです。
幼い頃から一癖も二癖もあるお嬢様方の中で育って、
目の前にある笑顔が、本当に笑顔かは熟慮してみないと分からない。
全部とはいいませんが、恐らくその辺が瞳子の性格を決定付けたのだと思います。


だから、いい子ちゃんに見えたり甘く見えたりする祐巳ではダメなんです。
もちろん、瞳子は口ではああいってますが、本気で嫌ってるのではなく、
憧れの裏返しで、というのも祐巳由乃と同じくらいストレートなんですよね。
ただ、祐巳の場合は(特定の条件下で)勘がずば抜けてまして、
その辺が許せない、理解できない、つまり、憧れてやまないっていうことになります。


確かに、一見すると姉は祐巳でも良くって、
瞳子ちゃんも、本当に気になるのは由乃なのに、
一緒にいると自然と祐巳も同じように気になりはじめている。
でも、そこを説明、理解できるほど瞳子は頭が回らない。
だから、三奈子さんに質問するんです。
「三奈子さままで、なぜ祐巳さまについて行かれるのです?」(『インライブラリー』77ページ)


そこで返ってきた答えは、というと、
「そりゃ、気になるからに決まっているじゃない。ことの顛末を明日聞くより、
今自分の目で確かめた方がだんぜん面白いもの」(『インライブラリー』78ページ)
由乃に通じる気持ちと、祐巳に通じる気持ちの違いがやっと分かって、
そこでスーっと心が晴れるわけなんですよね、瞳子は。
だから、決して瞳子祐巳の妹にはなりえない。
そこで瞳子由乃を考えてみると、結構見えてくるものなんです。
瞳子由乃が望むものを与えてやれますし、由乃瞳子が望むものを与えてやれるってことが。


由乃は妹に何を求めるのかというと、たぶん対等の存在だと思います。
分かりやすくいうと、ライバル。
具体的に言うと、真っ直ぐにストレートに向かってきてくれる存在のことです。
祐巳も親友なのですけど、それは違う種類の親友です。
並んで歩くのではなく、一緒に戦う、または同じ土俵で戦い合う友、
それこそ由乃は求めてるのではないかなぁ、と思うんです。
だから、可南子ではダメで、やっぱり瞳子しかいないんですよね。
先輩相手にストレートに挑んでくる一年生っていうのは。
それに、由乃は剣道の試合だって控えてますし、
これは瞳子を使える絶好の機会なんじゃないかな、っていう。


逆に、瞳子は姉に何を求めるのかというと、曲がってないこと、と、居場所です。
OK大作戦の柏木の呪いは、瞳子の両親の離婚の危機だったりするのかな、
なんて妄想(暴走)してしまいますけど、居場所を求めてるのは確か。
部活動をしてるのも、恐らく根底の意味では心の拠り所を置くっていう、
その辺が絡んでるんじゃないか、と思います。
可南子が不幸ぶってるのを見て苛立つのは、
それは瞳子の過去が関係しているのかもしれません。
接点があるっていう意味ではなく、もっと深刻で不幸だった、とかね。
瞳子は居場所がなくなると、すぐ自暴自棄になってしまう。
だから、真っ直ぐで安心できる由乃の側っていうのは、瞳子にとっては最適な場所な気がします。


というわけで、以上が新刊発売一ヶ月前の予想です。
この予想(妄想)がどのくらい裏切られるのか、それに対して非常に興味があります。
「ええっー!?」と心の底から驚きたい。
予想を裏切られるのって、それは私にとって無上の喜びです。


さて、『インライブラリー』では、祥子さまは睡眠不足なようで、
前巻で保健室の帰りに蓉子さまに言うようにいわれ、その勢いを借りて祐巳に言ってみたものの、
祐巳が遠くに行ってしまいそうで気が気でない、それが物語上の一番早い時間の祥子でしょう。
そろそろ祐巳から旅立たないといけない。
でも、祐巳なしでやっていく自信がない。
そんな祥子の状態を察してかどうかは分かりませんが、可南子ちゃんは口を噤んだまま。
祐巳ともうひとイベントあれば、くっつくことは目に見えている。
条件はほとんど整ってますし。
それはいい。
しかし、祥子はよくない。
なぜなら、祥子に旅立つ準備ができていないから。


祐巳も、前途多難です。


追伸:
上記に書いた瞳子視点の創作小説ですけど、
もちろん、書き上げた理由は、由乃瞳子がスールになるっていう確信があったからですが、
それをふまえて小説を読み直してみると、結構私的には楽しめるんです。
例えば『レディ、GO!』で昼休みのフォークダンスの際、
瞳子ちゃんが男性パートにいる理由。
令とペアでフォークダンスに参加すると踏んでた瞳子でしたが、
裏をかいて「令を監視するために」男性パートに由乃が入ってしまった。
んで、祐巳の会話となるんですよね。


祐巳「だって、祥子さまと踊りたかったから、瞳子ちゃんは
フォークダンスに参加したんでしょ。なのに」(『レディ、GO!』154ページ)
瞳子「え?ああ……、まあそうです。ホント、残念でした」(『レディ、GO!』155ページ)


もちろん、祐巳と踊りたかった、っていうようにも取れますけどね。
今野さんがストレートだったらこちらの仮定を信じたんですけれど…、どうなんでしょう。